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Wed 05/01/2011

きのう何食べた?(4) (よしながふみ)

☆このレビューは☆

2010年11月17日あたりに、管理人のメインブログ「ゆすらうめ異聞 雑想記」に掲載したレビューを、少し手直しして再掲載したものです。

いつもと同じく、基本わたしにとっては『春抱き』が世界の中心なので、そこを軸にした非常に私的な、勝手言いたい放題の?感想になっています・・・(笑)。

どうぞそのあたり、ご了承くださいね。




+++++




●レビュー(その3)

よしながふみさんの、きのう何食べた?(4巻)。


きのう何食べた?(4) (モーニングKC)きのう何食べた?(4) (モーニングKC)
(2010/10/22)
よしなが ふみ

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さてさて。

もしかしたら、今まででいちばん、「なんにも起きていない」巻・・・かもしれません(笑)。

もともとこのシリーズは、その辺にフツーにいそうな?平凡な中年ゲイ夫婦の日常生活を、実に淡々と、淡白に、毎日のふたりの食卓を中心に描いているマンガなので、

「そもそも、いつも何も起きないじゃないの」

ってツッコミも、ありなんですけどね(笑)。


・・・でも、でもさ???

これだけ何も起きていない(=ストーリーを牽引するドラマティックな展開に乏しく、起承転結に則って話が「進んでいく」という実感がない)というのは、実はスゴイことです。

だって、面白いんですよ(笑)。

このシリーズは、とにかく安定して面白い。

4巻では、今まででいちばん面白くて、ほんわりとあったかく、地味に幸せな気持ちになりました。

半分、「男の料理」っぽいレシピ漫画。

残りの半分が、(男性誌掲載だけに)ゲイへの偏見をなくそうという啓蒙ドラマ?(笑)

・・・といっても、それを声高に?主張するのではなく、ごくさりげなく、「世の中にはこういう人たちもいるけど、別に誰かに迷惑かけてるわけじゃないし、誠実に生きているんだから放っておいてあげて?」って、サブリミナル・メッセージを送っている感じ(笑)。

・・・だと、今までは思ってました。

それだけでも、その辺の平均的なBL作家には望むべくもない高いスタンダードなので、それをあっさりと、実に洒脱にやってのける作者に、いつも舌を巻いていました。

(この辺が微妙なところなんですが、わたしはよしながふみさんを、非凡な才能とセンスに恵まれた偉大な作家だ、と「高く評価している」のだと思います。偉そうな表現で恐縮ですが、「好きな作家」ではないので、若干冷めた言い方になっちゃいますね~。)


で、さて、4巻ね。

ストーリーは、今までと何も変わりません(笑)。

シロさん(40代、弁護士、ハンサムだけど吝嗇、お料理得意の自称「しがない兼業主夫」)とケンジくん(40代、シロさんより年下、美容師、らぶらぶヘタレ攻め)の、平凡で幸せな毎日が、淡々とつづられているだけ。

らぶらぶ・・・と書きましたが、BL誌に載ってるわけじゃないので、正直に言ってふたりの「らぶらぶ」が実際に見られるわけではありません。

正確にいうと、「そういうシーン」は皆無。ゼロ。

キスはおろか、手を握り合うことだって、今まであったかどうか(たぶんナイ)。

・・・でも、らぶらぶ、なんだなあ。

つまり心情的にそうだ、ということになりますが、そこが作者の手腕なんですね。

一見そっけないくらいの淡々とした日常生活を描きながらも、ふたりがお互いの存在に感謝していること、相手の好意をあたりまえだと思っていない(関係を維持するための努力をしている)ことが、じんわりと伝わってくる。

滋味・・・って言ったら変かしら?(笑)

さらりと笑わせて、ちょっとだけしんみりして、じわりとあったかくなって、

「ああ、夫婦っていいなあ~」

って、思わずため息をついちゃうような。

☆レシピ漫画
☆啓蒙マンガ

に加えて、今回はじめて、

☆理想の夫婦のありかたを考える漫画

という要素が見えてきた、そんな感じです(笑)。


※不治の『春抱き』中毒患者のわたしの場合、最高峰だと信ずるカップルは、世の中に岩城さんと香藤くんしかいません。いませんが、彼らはほら、いろんな意味で熱いというか、濃いというか、濃すぎるというか・・・一般人には、あまりにもハードルが高いですからね・・・(爆)。



☆レシピ漫画的側面

言うまでもなく、毎晩シロさんがつくるお料理が、いかにもおいしそうな家庭料理で、全部ツボ!

中年以降の健康管理という意味でも(笑)、献立のコツという意味でも、非常に参考になります。というか、けっこうこのマンガを見てお料理してます。



☆ゲイへの偏見・・・(以下略)

たとえば今回、「養子縁組をしようと思う」という、ゲイカップル(50代?)が登場します。

小太りで頭の薄い、いかにも人のよさそうなオジサンが、

「歯を食いしばって稼いできた金を、自分が死んだときに両親にはびた一文だってやりたくない」

と、意外にもきっぱり言ってのける。

けっこうキツイ言葉だなあ、ひどいなあ、と一瞬ちょっと眉をしかめるのですが、そこではた、と考えさせられるんですよね。

おそらくこの人は、同性愛者であることで、家族との相克を経験しているんだろうなあって。罵倒されたり、絶縁されたり、そんな辛い過去があって、家族を捨てた人なのかもしれないって。

もちろん、これは全部、想像です。

だけど、そういう生々しいことはいっさい描かれていないけど、登場人物が背後に背負っているものをさりげなく感じさせるあたり、作者のテクは半端ではありません(笑)。

似たような「裏を想像させる」人物描写は、シロさんがボス(女性)の嫁姑問題のグチを聞かされる場面でも登場します。

(あ、こっちは、厳密にいえばゲイ云々とは関係ないですね!)

既婚女性には、たぶんトラップみたいなシーンだろうと思いますが、これも、一刀両断にどちらが正しい、間違っているとは言えない奥深さを感じさせます。誰の視線で物事を眺めるかで、見方が変わって来るので。

ホント、上手いよなあ。



☆理想の夫婦像?

なんつったって、4巻のシロさんが可愛い!(笑)

これといった弱みがなく、何でもソツなくこなしてしまう、ある意味とっても可愛げのない彼が、プロ並みに料理ができるというケンジくんの友人の訪問に、わたわたする様子が可愛かったなあ。

そうかと思うと、「夫婦ってこんなもの」的な、実に冷めた開き直り(あきらめ?)も見せるのですが、それすら、結局ケンジくんが喜んでくれるならいいや、という「許し」が根底にあるから、可愛いんだろうな(笑)。

そして、今回はじめて、シロさんの誘い顔が拝めます(笑)。

「あ、この後は、久しぶりにえっちですね?♪?♪?」

・・・と、下世話な人なら確実にそう思う奇跡のひとコマに、うっかり盛り上がったのは、勿論わたしです(爆)。

(そしてもちろん、そのえっちシーンは描かれていません。ええ、当然ですね。・・・ちぇ~。)

あ、ついつい、シロさんばっかり・・・(苦笑)。

※シロさんはお気に入りで、ぜひともカノジョ(彼氏?)に欲しいくらいですが、同時にシロさんのお陰で、あらためて岩城さんの完璧さに気づいたりもします。ええ、マジ、岩城さんは無敵だよ。。。

そうそう、ケンジくんね(爆)。

ケンジくんも、3巻に引き続き、意外な?ところでカッコよく決めてくれます。基本ちゃらい系なんですが、シロさんを大切に思っているのがわかる、「お?」って見直す場面アリ。

(ちょいとヘタレですが、わたしはこういう彼氏、好きだなあ。)


「結局、らぶらぶなんじゃん・・・」

ええ、そうなんです(笑)。

いってみれば、『春抱き』が超☆贅沢なフランス料理のフルコースだとしたら、このシリーズはさしずめ、駅前の小料理屋さんの旬の焼き魚定食。

雰囲気も味わいも客層もまったく違いますが、どっちも美味で、満足のいく経験だと思います(笑)。



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