2014年06月 / 05月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

-- --/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:--  |  スポンサー広告  |  Top↑

Mon 30/06/2014

猫間地獄のわらべ歌 (幡大介)

☆この記事は☆

自分用の読書メモ、はたまた備忘録として利用している、某書籍レビュー/シェアサイト(SNS的なもの)に書き込んだレビューを、時によって若干の加筆・修正を加えてここに転載しています。







猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)猫間地獄のわらべ歌 (講談社文庫)
(2012/07/13)
幡 大介

商品詳細を見る



傑作か迷作か、それが問題だ。

「このミス」で話題をさらったので興味本位で古本入手。結果、300円の価値は十分にありました(笑)。でも作者の遊びゴコロが許せない人は、途中で怒って本を放り投げるかも?

ひと言でいうと軽いノリの時代小説×本格っぽいミステリ。メタフィクション云々・・・はまあ軽い座興程度。

なんちゃって密室殺人、わらべ歌に乗せた見立て連続殺人、顔のない死体、被害者のすり替え、鉄壁アリバイの館モノ?殺人と、ミステリの常套手段を駆使した縦横無尽の展開。最後にあっと驚く?どんでん返しまで待っていて、これはたしかにてんこ盛りの賑やかさ。ある意味、ツウ向けです。

バカバカしいと思っているとちゃんと推理小説として成立していて、二度読みすると伏線の緻密さに気づかされる。最後のびっくりは歴史、時代小説好きなら予想できるはず!・・・なのがますます悔しい(笑)。

あなどっていると思わぬ落とし穴にはまり、真剣に読むと途中でアホらしさにげっそりする。相性の合わない読み手にはツライかもしれませんが、イマドキの時代劇テイストのライト・エンタメだと思えば腹も立たない。

わらべ歌がタイトルにするほど効いていないことや、江戸とお国許で起こる事件の繋ぎなど、あと一歩足りないと思うところもありますが、これはこれで面白い。冗談のわかる大人に、読んでほしいと思います。

スポンサーサイト
EDIT  |  21:36  |  ふつうの小説(笑)  |  Top↑

Sun 01/06/2014

模倣犯 (宮部みゆき)

☆この記事は☆

2013年8月17日付のわたしのメインブログ、「ゆすらうめ異聞 雑想記」の記事を、ほぼそのまま再掲載したものです。

(「雑想記」ではその名のとおり、『春抱き』のみならず、日常のあれこれやその他の「好き」をランダムに発信しています。その記事の中から、『春抱き』関連、その他の本やマンガのレビューに相当する記事を抜き出して、この「恋歌」に転載。・・・記事を再編集していないため、関係ないネタも混ざっています。)

レビューを読む前には、上の「使用上の注意」をご覧になってくださいね。








●TBのお題から

「夏の思い出、写真で見せます!」

なんて都合のよいお題なんだ・・・(笑)。

一枚目は、群馬の自然公園。


P8126662.jpg


二枚目は、数日前の軽井沢。


P8136757xSS.jpg


避暑地のわりには暑い軽井沢、が定番だと思っていたわたしですが、この日はちがいました。

近くの(群馬県の)観測地点が34度!を叩き出してるにもかかわらず、わりと涼しい。

比較的、って話ですが、たぶん27度くらいでしょうか。

「避暑地として機能することもあるのね・・・(笑)」

などと、思っていました。

軽井沢の写真は、またいずれ。



●先日ちょっと

教えられて、試してみました。

Google画像検索に「atari breakout」って入力するとゲームができる、ってやつ(笑)。

http://gigazine.net/news/20130514-atari-breakout/

なんか、奇妙になつかしいブロック崩し。

遠い昔ですが、かつて、こんなのをたしかにやった記憶が。

※音が出ます。消音できますが、デフォルトの電子音がけっこう大きいので注意してね。


atari_breakout2.jpg


裏技・・・っていうのかしら。

Googleのこの手のお遊び設定、面白いですよね。


atari_breakout.jpg


単純なゲームだけど、意外とクセになるかも・・・?

ときどき青いバーやボールがフリーズするので、もどかしいこともあります。

スコアが上がると、どうもボールの動きもあやしくなってきます。

おヒマなときに、お試しください。



●読んだ読んだ

久しぶりに長編を読みました。

といっても社会派ミステリ、というか心理サスペンスか。

英語だと、スリラー、といういい方をするかもしれません。

「模倣犯」、宮部みゆきのベストセラーですね。

(映画にもなった。ただし原作ファンには、評判はクソミソに悪い。)

まあ、要するに非常にメジャーな作品です。

今さらの大長編ですが、話がおもしろいので一気読みできちゃうと思いますよ。


模倣犯1 (新潮文庫)模倣犯1 (新潮文庫)
(2005/11/26)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


模倣犯2 (新潮文庫)模倣犯2 (新潮文庫)
(2005/11/26)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


模倣犯3 (新潮文庫)模倣犯3 (新潮文庫)
(2005/11/26)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


模倣犯〈4〉 (新潮文庫)模倣犯〈4〉 (新潮文庫)
(2005/12/22)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


模倣犯〈5〉 (新潮文庫)模倣犯〈5〉 (新潮文庫)
(2005/12/22)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


※以下、ある程度のネタバレを含みます。

社会派サスペンスの場合、古典的なミステリ(本格推理小説)とは、ネタバレの比重がちがうかもしれません。

誰が犯人か、最初からわかってたらつまらない!

・・・ってのは、もちろん、当然のことなんですけど。

それが最後の最後、トリックの謎を解いてのクライマックスになるのが、本格推理。

(小説を読みすすめながら、読者も探偵役と同じように、真犯人を推理するのが前提だから。)

社会派サスペンスの場合には、そうでないケースも多い。

話の途中で、あるいは最初から、犯人が犯人だとわかるように描かれることも多いんですよね。

この話もそう。

犯人探しはちっとも、主眼じゃないのね。

だからあっさりと文庫の二巻目で、犯人視点の物語が展開します。

第一巻>>

最初はまず、都内の公園で女性の遺体の一部&遺品が見つかるところから。

ミステリーとしての立ち上がりです。

第一発見者たち、被害者(かもしれない行方不明者)の家族たち、そして警察。

彼らの怒りや不安をあざ笑うように、マスコミに接触する犯人。

ぞれぞれの視点から、話が動き始めます。

巻き込まれた人々には、当然ながらそれぞれの人生がある。

両親の離婚騒動に悩む若い女性、援助交際をやってのける女子高生。

犯人は誰なのか?

被害者は誰なのか?

何が目的なのか?

これに、第一発見者の少年自身の過酷な人生も加味され、どう転がっていくのかわからなくなります。

第二巻、三巻>>

第二部では、ガラリと視点がかわります。

ありふれた商店街を舞台に、数人の少年たちが登場。

蕎麦屋のおっとり息子、薬屋の美少年、お洒落なマンション住まいの転校生。

彼らの生い立ちや人間関係が、エピソードを積み上げて丁寧に描かれます。

人によっては、だれる、と感じるほど詳しく。

「ねえ、これがどう、例の連続殺人事件に繋がってくるの?」

って、時に焦れそうになるくらい。

これがいつの間にか、犯人視点の物語になってゆく。

第一部のストーリーとその前後を、同じ時間軸を、今度は楽屋からもう一度眺めるのですね。

残酷な、とても陰惨な犯罪なのに、なんて楽しそうなんだろう。

平凡な日常と隣り合わせの狂気。

不愉快なのに、気になってしまう。

いちばんハラハラするのは、この部分かもしれません。

第四巻、五巻>>

そして、第三部。

犯罪が暴かれ、その犯人とおぼしき二人組が事故死を遂げる。

被害者の遺族も、マスコミも警察も。

みんな一抹の不満、不安を抱えてはいるものの、事件は収束に向かうと思っている。

(読者は、それが真実ではないことを知っている。)

そこに颯爽と登場するのが、ひとりの青年。

「僕の幼馴染みのAとBが犯人だと目されているが、少なくともBは違う。真犯人Xは他にいる!」

そう主張し、世間から石持て追われるBの妹に寄りそう。

そもそもBを犯罪を結びつける物証に乏しいことに、誰もが居心地の悪さを感じ始める。

「Bはそんな奴じゃない」

援護射撃をする他人も登場し、事件は再び混迷の様相を見せ始める。

警察はなぜ、AとBが真犯人だと正式に発表しない?

Bは共犯者なのか、それとも被害者なのか?

真実はどこにある?

被害者の遺族も、その周囲の人間も、ふたたび複雑な感情の渦に飲み込まれる。

・・・というのが、あらすじです。

あらすじのくせに、長くてすみません(汗)。

この小説の第一のキーワードは、愉快犯。

連続殺人で血まみれの手をしていながら、楽しんでいるとしか思えない犯人たち。

金でも、怨恨でも、痴情のもつれでもない動機。

かといって、猟奇的に、殺人そのものを愉しむふうでもない。

より独創的な、よくショッキングな犯罪という劇作品を、よりドラマチックに演出する。

そこに悦びを、プライドを感じる犯人像を、延々と描いています。

二つ目のキーワードは、重層性。

同じ出来事を、あえて視点を変えて二度、三度と語ることで、

(だから時系列は、行きつ戻りつする)

「そういう意図だったのか」

「そういう考え方もあるのか」

と、人間の事実認識が、その人の立場によってガラリと変わることを示している。

ひとは信じたいようにしか信じない、と言ってもいいかな。

犯人はなぜ、こんなことをしたのか。

最初はわからなかったことが、やがて犯人自身の言葉で説明されていく。

三つ目のキーワードは、マスコミ。

警察に協力するのが最優先ではなく、特ダネ確保にやっきになるテレビ局とかね。

この「警察vsマスコミ」の構図だけは、ちょっとわからなかったなあ。

いや、わからない、ってのは正確じゃないですね。

この小説の書かれた時代はそうだったのかもしれないけど、今現在だったら、こうならないだろうなあ。

・・・そう感じる箇所がいくつもあって、若干うだうだする。

犯人からテレビ局に電話がかかってくる、そんな場面が何度もあります。

それを録音したテープを、(声紋鑑定などのために)警察が提出するように要請したのを拒否する、とか。

犯人からのタレコミを、警察にはいわない、とか。

(いずれにしても、匿名の情報の提供者を守る、なんて言い訳のきかない状況で。)

「いや、それはないだろ。捜査妨害だろ・・・」

これは何回か、首をかしげてしまったなあ。

宮部さんはなにしろ、緊迫感とリアリティあふれる描写が売り。

ってことは、このマスコミの態度も、(少なくとも)この小説の発表当時は

「さもありなん」

・・・だったってことなのでしょうか。

ところで>>

未回収では? と思われる伏線がいくつかあります。

(メモ: 嘉浦舞衣、小樽の女性、小学生が拾ったケータイ、印刷所の増本くんへの電話、電話相談。)

これらいずれも、真犯人を明らかにする重要なヒント。

その後どうなったのか、書いてほしかったなあ。

「小説には書かれていないけど、たぶん、警察に話は行ったんだろうな」

と想像するしかないのね。

たぶん役に立ったんだろうけど、ちゃんと教えてほしかったですね。

ちなみに>>

些細なことですが、1巻の季節感の描写。

話は9月12日の朝から始まるのですが、そこが妙に引っかかりました。

秋の気配・・・?

都心の9月で・・・?

(残暑どころか、実質的にはまだ真夏でしょう?)

初秋の空気感の描写や、ジャケットを着てるという記述。

いずれも、とてもじゃないけど、信憑性があるとは思えない。

長い長い物語の出だしなので、よけいに気になるのかな・・・(汗)。

異常気象で冷夏の年だったというなら、いいんだけどね。

季節の描写なんぞ、ストーリーには影響ないんですけど、ものすごく違和感があったなあ。

ついでに>>

重要な登場人物のひとりに、女性ジャーナリスト(ライター)がいます。

個人的にはあまり好感のもてる人物じゃないんだけど、事件を動かすキーになる人物。

フリーのライターで、女性誌に細々と記事を載せていた彼女が、ひょんなきっかけで、硬派の事件ルポの世界に足を踏み入れる・・・んだけど。

彼女、わりと最近に結婚したばかり、という設定なのね。

で、結婚して筆名(本名まんま)を新姓に変えているんだなあ(笑)。

旧知の地方警察のコンタクトに電話して、新姓で名乗って、相手が「?」となってはじめて、

「ああ、そうだった!」

と、相手が自分の旧姓しか知らないことを思い出す。

ささいな場面なのですが、ものすごい違和感を覚えました。

いやいやいやいやいや、モノ書きのはしくれとして、それはないだろう。

ないない、考えられない。

結婚して姓が変わっても、今までの筆名を変える必要なんかどこにもない。

必要ないばかりか、むしろライターとしての実績があればあるほど、筆名を変えるなんて損でしかない。

ン10年も前の話ならいざしらず、現代の話で、しかもこの職種で。

イマドキふつうの会社員ですら、旧姓をそのまま通名にする女性も多いのに。

ちょっと信じがたいし、彼女のキャラ設定からしても、不自然に感じるのですね。

(わざわざ姓を変える理由が、小説の中にあるわけでもない。)

これを意図的に書いたにせよ、無意識にそう描写したにせよ。

ここに、宮部みゆきの女性観、価値観が見え隠れするような気がしました。

もひとつ>>

宮部みゆき独特の表現、言い回し。

「行けない」ではなく、「行かれない」

(これはものすごく多い)

「おっつかっつ」

(これも何度も出てくる)

20歳の娘が、「お母さん、お風呂を立てておいてね」

(お風呂を立てるって・・・? 日常生活で聞いたことないけど)

30歳そこそこの女性が、「煙草をのむ」

(書き言葉としてはありなんだけど、イマドキは言わないでしょう)

言うかなあ・・・?

まちがってるわけでも、おかしいわけでもないけど、すごく気になるのよ・・・(苦笑)。

あ、言葉のチョイスは自由なので、文句があるわけじゃないんです。

仮に古くさくても、仮に方言だとしても、作家の自由だとは思う。

だけど、この小説もそうだけど、宮部さんの社会派サスペンスは、タイトな緊迫感が売り。

静かにひたひたと、冴えた、押さえた筆遣いで、息もつかせないのね。

登場人物のほとんどが標準語を話すのも、そういう意図があるからでしょう。

その中で、ちょっと個性的な言い回しは浮く・・・んですね。

どうしても、アレ?って気になってしまう(汗)。

まあ、細かいことですね。

(彼女の「火車」や「スナーク狩り」では、こういうの気にならなかったけどなあ。)

・・・以上。

細かいチャチャも入れましたが、あれです。

この長編が大変な力作であるのは、まちがいない。

終着地点が意外だったとはいえないけど、そこまで息をつかせぬ展開だった。

不条理な、どうしようもなく気の毒な関係者もあった。

思わず涙ぐむ場面もあった。

完成度、高いです。

こわくない(おどろおどろしくない)スリラーをお求めの方には、最高の五冊です。


EDIT  |  00:51  |  ふつうの小説(笑)  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。