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Fri 05/09/2014

奇想、天を動かす (島田荘司)

☆この記事は☆

自分用の読書メモ、はたまた備忘録として利用している、某書籍レビュー/シェアサイト(SNS的なもの)に書き込んだレビューを、時によって若干の加筆・修正を加えてここに転載しています。

読了は2014年1月。







奇想、天を動かす (光文社文庫)奇想、天を動かす (光文社文庫)
(1993/03)
島田 荘司

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島田荘司の吉敷竹史刑事シリーズ、第11作。

本格ミステリと社会派を巧みに融合させた、読みごたえのある作品です。

物語は平成元年、春の浅草で起きた殺人事件で幕を開けます。

仲見世の乾物屋の女主人が、消費税の支払いを拒否した浮浪者に衆人環視の中で刺殺されるという、一見けちな事件。

消費税の導入が始まったばかりで話題性があることを除けば、特別に難しい事件ではないと思われました。

念のために捜査を開始した吉敷はしかし、よだれを垂らしてにやにや笑うばかりのぼけ老人としか見えない容疑者を前に、ふと疑念を抱きます。

これは本当に、消費税のコンセプトを理解できないぼけ老人が、(商品の値段以上のものを要求されて)カッとなって衝動的に犯した殺人という、それだけのことなんだろうか?

そこから、壮大なスケールの物語が展開します。

老人の身元を探る旅、容疑者と被害者との過去の接点を見つける旅。

宮城から岩手、静岡、かと思えば江戸の面影を残す東京のあちこち、そして北海道。

小さな手がかりを頼りに、「何かもっと過去の因縁があるはずだ」という勘を信じて地道な捜査を続ける吉敷。

その過程には、作者お得意の各種ウンチク(東京に残る江戸の遺構、冤罪被害の実態、戦時中の日本軍の罪など)が展開し、さらには奇妙なホラーともファンタジーともつかない挿入話が五編ほど加わり、複雑な謎を編み出します。

そして終章、まさに衝撃の事実が明らかになります。

壮大なスケールの悲劇に、読者は息を呑むでしょう。

(この作品、最初に読んだのは20代の頃。細部をほとんど忘れてしまった状態で、ン10年ぶりに再読したのですが、あたりまえだけど初見の衝撃は返って来ませんでした。この作品をまっさらな気持ちでこれから読むひとが羨ましい!)

まさに奇想、天を動かす。

細かい箇所で突っ込みを入れたくなるところもあるけど、そんなのはどうでもいい。

一気読み必至の傑作だと思います。

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