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Sun 15/05/2016

華の碑文 / 傾く滝 / 隻眼の少女 / 照柿

☆この記事は☆

2015年10月09日付のわたしのメインブログ、「ゆすらうめ異聞 雑想記」の記事を、ほぼそのまま再掲載したものです。

日々更新中の「雑想記」では、その名のとおり、『春抱き』のみならず、日常のあれこれやその他の「好き」をランダムに発信しています。

カメラや写真、歌舞伎、スポーツ、時事問題、本やマンガのレビューなどなど。

そうした記事の中から、『春抱き』関連、その他の本やマンガのレビューに相当する記事を抜き出して(あるいはそういう記事がメインのブログをまるごと)、この「恋歌」に転載しています。

特に元記事を再編集していないため、関係ないネタも混ざっていますが、ご了承ください。

レビューを読む前には、上の「使用上の注意」をご覧になってくださいね。







●どうにも

こうにも、いかぬ。

いまいち本調子になりませぬ。

どうしてじゃ。

熱は下がったものの、咳がなかなか抜けなくてのう。

くう。

困ったものじゃ。







●TBのお題から

「お掃除は好きですか?」

うんにゃ。

あんまし。

特にきらいではないけど、得意ではない。

必要最低限、やらないと人間としてイケナイ程度はこなします。

・・・たぶん。

自信はない。

その「最低限」自体が、きれい好きな人には許せないレベルかもしれないけど。

じゃあ、キタナイ耐性があるかっていうと、そうでもない。

清潔が好きではある。

(あたりまえか。)

やるとなるととことん、という傾向もある。

ひょっとして矛盾してますね。


ちなみに>>

わたしの中では 「掃除」 と 「整理整頓」 は別のカテゴリです。

このふたつのコンセプトに、オーバーラップする部分があるかもしれない、とは思う。

思うけど、やっぱり別の概念だなあ。

ゴミを片づけ、汚れやシミを落とし、埃を拭いて、身の回りの環境を清潔に保つのが、お掃除。

いわば、マイナス状態をニュートラルに持ってくる感じ。

整理整頓(お片づけ)は、その次のステップ。

快適な生活を送るために収納やディスプレイを工夫し、要るものと要らないものを選別するのが、整理整頓。

いってみれば、ニュートラル状態をさらにプラスに改善する感じ。

・・・ですよね?

ちがう?

そもそも掃除があまり得意でない人間は、整理整頓のほうまでなかなか手が回らない。

ことのほうが多い。

・・・ってのが持論ですが、さて。

どうなんでしょうね・・・(汗)。







●最近

読んだ/読んでいる本。

※再読を含む。



☆華の碑文 (杉本苑子

世阿弥元清の生涯をつづった時代小説。

能の世界の幽玄の真髄に迫る名作。

おもしろいよ。

室町三代将軍足利義満との関係は、もちろん真正面から描かれています。

(ばかりか、稚児カルチャーというか、そういったものが頻繁に登場する。)

ただし、萌え要素はほぼない(笑)。

世阿弥を理想化する視点で描かれているため、高尚で生真面目な筆致。

義満との関係に限っていえば、将軍さまの片思いに近い。

それはそれでやるせないけど。

観阿弥、世阿弥の能にかける情熱。

それが、筆者自身の能への愛というプリズムを経てゆたかに描かれています。



☆傾く滝 (杉本苑子

八代目市川団十郎の生と死を赤裸々につづった時代小説。

江戸時代後期の市井の様子から、当時の歌舞伎役者の生活まで。

生き生きと描かれていて大変におもしろく、かつ読みやすい。

類まれなる美貌と奔放な性格の八代目団十郎の、身を焦がすような恋。

生涯ただ一度の恋。

その相手というのが、仇に追われて江戸市中に潜伏するワケアリの浪人。

こちらははっきりと、萌え要素が中心です。

ある意味、古典的な意味での「びーえる」ですね。

(まだBLという言葉がなく、耽美系とかJUNE系とか、そういうふうに呼ばれていた時代のあの雰囲気ね。)

いや、これはヤオイじゃなくて、れっきとした時代小説なんだけど。

せつない、やるせない、もどかしい、そしてひたすらに哀しい。

破滅にひた向かう悲恋を淡々と、精緻に描いています。

あっさりした表現が、ときにぐさりと来る。

最初に読むときはもちろん、ひとりの男とひとりの美少年の物語として。

二度目以降は、ほかの登場人物の視点や心情を中心に。

いろいろな読み方があると思うし、意外と奥が深い。



☆隻眼の少女 (麻耶雄嵩

久しぶりに読んだ麻耶雄嵩(まやゆたか)。

現代の日本ミステリ界の異端児というか、寵児というか、そういう人。

常に問題作を発表し、つねに話題の中心になるよなあ。

で、この本。

舞台設定は、拍子抜けするほどストレートな新本格風味です。

とある僻地の、不思議な言い伝えの残る因習の村落。

次々と起きる陰惨な連続殺人。

そこに登場する、白い水干姿の謎の美少女。

・・・ねえ。

上っ面だけ眺めたら、横溝的とか、三津田信三的とか言われるような世界観。

やりすぎ感すらあるほど、伝奇ロマン、懐古趣味てんこもり。

が、そこが麻耶雄嵩だ。

淡々と、そう、実に淡々とした筆致で、さらりと読者を欺いてみせる。

(あっさり描写が多いので、殺人の様子などにグロ表現はほぼない。そういう意味では気が楽。)

「なんか、彼らしくない陳腐さがない・・・?」

読者の予断をすり抜けて、あっさり不可解な超展開を見せてくれる。

なんだろう。

結果として、たしかにおどろいた。

おもしろかった。

驚いたけど、だけど・・・どこか予測してもいたんだよね(笑)。

(トリックを読めてしまった自分スゴイ、といいたいわけではない。念のため。)

実によく出来たミステリなんだけど、よく出来ているだけに、

「そう来たか!」

に、意外なほど意外性が・・・ない・・・ような・・・???

うむむ。

しつこいですが、とてもよく出来た小説です。

おもしろい。

いろんな賞を取ったというのも頷ける、傑作だと思う。

ただ、麻耶雄嵩の「毒」はおとなしめ。

彼の真髄は、もっと不条理なワケワカメ小説だと思うので(笑)。

そういうことかもしれません。

破綻なく、よく出来ているために、返ってこじんまりまとまって見えるというか。

おかしいですね(笑)。

破綻なくスムーズなミステリって、誉め言葉のはずなのに(笑)。



☆照柿 (高村薫

読みかけです。

なんだこれ。

かの「マークスの山」の後、さんざん悩んだ挙句、

「やっぱり、合田雄一郎シリーズは全部はじめから読もう!」

と決心して購入。

今ごろになってようやく手をつけました。

なんだこれ。

淡々と描写が進行するスタイルは前作と同じなのに、ものすごく観念的。

説明的。

ねっとりへばりつくような、しつこい筆致。

うざったい、不快な登場人物たち。

なんかずいぶん様子がちがう。

変だなあと思いつつ、だけど止められない(笑)。

うまいんだよなあ。

結局、ついつい乗せられてしまう。

まだ半分ほどしか読んでいないので、感想はナシ。


しかし、Aさま。

仰る通りですね、これ。

たしかにこの小説は、うだるような真夏に読むべきでした。

羽根布団にくるまって読むと、どこか、「照柿」の灼熱がとおい。

じんわりと不愉快な汗が首筋をつたうあの感覚を、リアルに思い起こせないのが残念。

うむむ。







●というわけで

では、またね。。。

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タグ : 杉本苑子 麻耶雄嵩 高村薫 合田雄一郎

EDIT  |  02:48  |  ふつうの小説(笑)  |  Top↑

Thu 05/05/2016

傾く滝 (杉本苑子)

☆この記事は☆

2014年07月24日付のわたしのメインブログ、「ゆすらうめ異聞 雑想記」の記事を、ほぼそのまま再掲載したものです。

日々更新中の「雑想記」では、その名のとおり、『春抱き』のみならず、日常のあれこれやその他の「好き」をランダムに発信しています。

カメラや写真、歌舞伎、スポーツ、時事問題、本やマンガのレビューなどなど。

そうした記事の中から、『春抱き』関連、その他の本やマンガのレビューに相当する記事を抜き出して(あるいはそういう記事がメインのブログをまるごと)、この「恋歌」に転載しています。

特に元記事を再編集していないため、関係ないネタも混ざっていますが、ご了承ください。

レビューを読む前には、上の「使用上の注意」をご覧になってくださいね。







●TBのお題から

「あなたのタイピング!」

早いですよ(笑)。

無駄にけっこう早いと自負しています。

タッチタイピングなども、いつの間にかできるようになっていたので、

「どうやって習得したんですか!?」

と聞かれると答えに窮してしまう。

「・・・ピアノやってたから・・・?」

一応そう答えますが、たいていはバカじゃないの、という目で見られます(笑)。

(自分では半分くらいそう思ってるのに。)

練習ソフトなんかもあるけど、結局は習うより慣れろ。

地道に数をこなせば、それなりの結果がついてくるものだと思います。





●最近は

たらたらと、「鬼平」を読んでいたりします(笑)。

※もちろん小鳥さんの蔵書。

夏はとかく暑くて、集中力も落ちがち。

「鬼平」は短編ベースだし、肩がこることもなくさらっと読めるのでいいですね。



鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)
(2000/04)
池波 正太郎

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言うまでもなく、小鳥さんの愛読書です。

子供のころから何回も、何十回も読み返してきた作品だそうです。

その点、わたしはビギナー。

読んでいて疑問に思ったことを、ときどき聞いてみたりします。


で、おもしろい点。

彼女はいろいろ教えてくれるけど、人によって、興味のツボや関心のベクトルって違いますよね。

あたりまえのことなんですが、これがはっきり見えてきます。

「ああ、地図がほしい・・・!」

一話いちわ、読むたびにわたしはそう思うのですね(笑)。

みなさんご存知とは思いますが>>

鬼平というのは、長谷川平蔵というお侍の異名。

※実在の人物。

江戸内外の凶悪犯を取り締まる、火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官をつとめる旗本です。

※行動範囲は江戸のみにとどまらないけど、江戸の話が多い。

彼の仕事っぷりがなかなかに豪快で、盗賊からは

「鬼の平蔵」

と恐れられた・・・というのが、鬼平というあだ名の由来です。

で、地図の話ね。

「鬼平」を読んでいると、詳細な街並の記述が多いのですよ。

○○町三丁目の角をまがって、××藩の下屋敷の塀を通りすぎて・・・

△△寺の裏手から、大川のほとりで船を雇い、◎◎橋をくぐって・・・

とか、そういうのね。

浅草で生まれ育った池波さんならではの、江戸の町の描写。

こういうのを読んでると、とにかくムズムズする(笑)。

「どの辺をどう行ったのか?」

東京の地名なのでおおよその見当はつくけど、細かい路地までわかるわけじゃない。

水路なんかは、今はもうないだろうし。

「どこを、どう歩いたの・・・!?」

気になって気になって、どうしようもなくなります(笑)。

「ああ、江戸の地図がほしい!」

あのルート、このルート、古地図でチェックしたくて。

江戸名所なんとかって絵地図、あったよなあ。

いや、「鬼平」ほどの有名作品なら、地図を載せたガイド本もあるのでは。

あるいはネットで、マニアがルートを図解しているかも。

・・・などなど。

気になってしょうがないんだなあ。

という話を、小鳥さんにするでしょう?

そうすると彼女、きょとん、とした顔をしてる。

それから大笑い。

「ん?」
「あれ?」

つまり、アレです(笑)。

鬼平の江戸を歩く、的な本は実際、出版されているらしい。

(鬼平に限らず、江戸の市中図的なものなら、かなり数があります。)

でも彼女自身は、作品中の人物がどこをどう歩いたか、実際に地図でたしかめようなんて思ったことがない。

そんなことに興味を持ったことがないので、いざわたしを目の前にして、

「いやあ、ホントにこういう人っているんだ!」

「こういう人がいるから、なるほど、鬼平の地図なんてものが出版されてたのか!」

みたいな、奇妙な感動を味わったらしい(笑)。

変・・・?

どっちが・・・?(笑)

「だって気にならない? この船宿はどこにあるのか、あの蕎麦屋はどこにあったのか」
「いや、別に」

そうなのか(笑)。

同じ作品を読んでも、脳のはたらきはずいぶん違うんだなあ、と。

しみじみ感じた次第です。





●同じお江戸の

お話ですが、こちらはどシリアス。

鬼平の活躍した時代から、50年ほど経った後の話です。


傾く滝 (講談社文庫)傾く滝 (講談社文庫)
(2013/08/30)
杉本苑子

商品詳細を見る



以前から何度もご紹介しています。

杉本苑子の「傾く滝」。

若き日のわたしの愛読書のひとつ。

先日、実にン10年ぶり?に読み返しました。

(ずっと絶版だか在庫切れだかで入手できなかったのを、偶然にも中古で見つけたので。)

やっぱり、いいわー。

やりきれないほど悲しい話なんだけど、ものすごくいい。

ずしりと胸にひびく名作だと思います。


ややネタバレまじりに、あらすじをご紹介すると>>

ときは江戸時代の後期。

主人公は、驕慢で繊細な美少年、のちの八代目市川團十郎。

ひょんなことから溺れかけた彼の命を助けたのが、仇持ちの浪人、宮永直樹。

二人の運命の出会いとその破滅的な恋愛を、丁寧に描いた作品です。

とにかく秀逸なのが、江戸の市井の描写。

当時の歌舞伎界の様子が、江戸の人々の暮らしが、手にとるようにわかる。

そんな錯覚を起こすくらい、綿密に生き生きと、人々の生活が描かれています。

奢侈禁止令が出たりして、芝居や役者たち受難の時代。

その中で暮らす個性的な役者たち、その家族たち。

彼らの派手でハチャメチャな暮らしぶりが、まず面白い。

それと対照的に、つねに陰鬱の気を漂わせた宮永直樹の生活。

彼の境遇(脱藩の経緯や幼い娘との生活)は、やや類型的かもしれない。

おそらく、華やかな團十郎の「影」としての役割なので、それで十分なんだろうなあ。

ともあれ二人は、未来のない関係に溺れます。

直樹にとっては一種の現実逃避、ある種の麻薬そしてサンドバッグ。

(そして自分でも認めたくない、救済。)

少年團十郎にとっては、それでも最初で最後の恋。

これで悲恋にならないほうがおかしい。

(ええ、そうです。わたしのほもレーダーはこの頃から感度バツグン。笑っちゃうくらい。)

最後は、あっけなくも残酷な結末が待っています。

やりきれないし、作者は最後まで容赦がないんだけど、でも。

他にどう終わりようがあったのかと思うと、答えは出ない。

ハッピーエンドなんかあるわけない。

でも、でも、でも・・・!

余韻に鬱々とひたりつつ、何度も読み返すはめになります(苦笑)。

(脳内イメージイラストはむろん、木原敏江さんで。)


ちなみに>>

八代目團十郎の存在も、その生涯も大枠では史実のとおり。

宮永直樹はフィクションですけどね。


最後の最後。

物語の中でつねに豪快で破天荒だった七代目團十郎(八代目の父)が、さびしい老人に見えます。

わがまま放題に生きた人だけど、人生のツケが最後にすべて回って来た感じ。

はかないもんだなあ。


楽しいばかりじゃないけど、小説の醍醐味がてんこ盛り。

500ページ以上あるけど、最後まで読みやすく飽きさせません。

よろしかったら、手にとってみてね。





●では、

またね。。。

タグ : 傾く滝 杉本苑子 鬼平犯科帳 池波正太郎

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