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Sun 27/10/2013

密室の如き籠るもの (三津田信三)

☆この記事は☆

2013年7月18日付のわたしのメインブログ、「ゆすらうめ異聞 雑想記」の記事を、ほぼそのまま再掲載したものです。

(「雑想記」ではその名のとおり、『春抱き』のみならず、日常のあれこれやその他の「好き」をランダムに発信しています。その記事の中から、『春抱き』関連、その他の本やマンガのレビューに相当する記事を抜き出して、この「恋歌」に転載。・・・記事を再編集していないため、関係ないネタも混ざっています。)

レビューを読む前には、上の「使用上の注意」をご覧になってくださいね。








●なんてことだ

涼しい・・・(笑)。

最高気温28度で「涼しい」と感じてしまう時点で、東京の夏に染まってるよなあ。

でも、いいの。

昼間はさておき、夜が涼しいのはホントだから。

まあ、今日だけですけどね・・・ううう。



●ちょっと

偶然、耳にしたのですが。

今クール人気のドラマ(堺雅人が主演してるアレ)に、愛ちゃん出てるんですってね。

オネエの国税局のお役人って、マジですか?(笑)

ミッチー王子といい、なんかもの凄く濃い配役なのでは・・・?

「み、見たいかも・・・ちょっとだけ・・・」

ふだんテレビなくて困ることはないけど、こういうときは悔しい(笑)。

というか!

愛ちゃん、仕事しすぎ。

彼は本当の本当に、もう何年もお休みとってないのよ。

もちろん本職=歌舞伎の舞台の予定だって、向こう二年くらいは埋まってるはず。

大活躍は嬉しいし、いろんなことをやってみるバイタリティはスゴイと思うの。

彼の魅力が、より多くの人に伝わるだろうってのも。

でも、過労だよ・・・(汗)。

本気で彼の身体、心配になります。



●夏の夜の

涼しくなる読書、ふたたび。

コレ、読み終わりました。


密室の如き籠るもの (講談社文庫)密室の如き籠るもの (講談社文庫)
(2012/05/15)
三津田 信三

商品詳細を見る



おどろおどろしいもの、ホラーめいたものは苦手。

血しぶき!とか、首が飛ぶ!とか、勘弁。

・・・というわりには、なぜか三津田信三の本を読んでしまうわたし(笑)。

たしかにね、ホラーっぽいというか、怪奇幻想的ではあるんですけど。

(この作家の作品で、純然たる?ホラー小説もあります。そっちは読んでないけど。)

でもこのシリーズは、ちゃんと「ミステリ」なんですよね。

推理小説、探偵小説。

どう呼ぶかはともかく、(一応は)本格ミステリの枠組に入る作品群なのです。

「ミステリ」である以上、殺人事件が起こる。

そこに論理的な、科学的な謎解きがある。

かな~りおっかない怪奇現象、ホラー要素があっても、最後にはロジカルな説明がつく。

・・・まあ、こわ~い味つけ、満載だけどね(汗)。

以前も書いたけど、このあたり本当に、横溝正史の後継者という感じです。

オドロオドロしい仕掛けたっぷりでも、ちゃんと冷静な、合理的な説明がつくという意味で。

好みは別れそうですが、こういう書き手は貴重でしょう。

さて、本作。

三津田信三の「冬城言耶(とうじょうげんや)」シリーズの第四作目です。

短編が三本、中編が一本、収録されています。

(前三作はいずれも長編。下に、それぞれタイトルを紹介しておきます。)

時代は、昭和。

それも、戦後まもない昭和20年代、30年代。

怪奇・幻想小説作家の冬城言耶は、こわ~い民間伝承を蒐集するために、地方を放浪するのが趣味。

そして、なぜか訪れる先々で、奇々怪々な事件に巻き込まれる。

―――というのが、基本設定。

言ってみれば彼、金田一耕助のポジションですね。

※以下、ネタバレなしですが、作品の内容に触れます。ちょっとだけ。

「首切の如き裂くもの」

「迷家(まよいが)の如き動くもの」

「隙魔(すきま)の如き覗くもの」

「密室(ひめむろ)の如き籠るもの」(これがいちばん長い)

いずれも日常生活のすき間、エアポケットのような怪奇現象、がテーマです。

少女が次々と引き込まれ、首を裂かれて殺される行き止まりの路地。

人里離れた山に見え隠れする、神出鬼没の小屋。

ドアや襖のすき間から覗く、得体のしれない幻像。

豪商の邸宅の蔵座敷という、ほぼ完璧なまでの密室で起きる謎の連続死。

こわい、少なくとも薄気味の悪い話が続きます。

一見とても説明のつかない事件を、冬城言耶が解き明かす・・・という展開もお馴染み。

超常現象だと思われたことが、きれいに説明される。

そこそこに面白いし、するすると読めるのですが。

今回なんというか、奇妙な脱力感を覚えました。

なんていうんだろう、肩すかし・・・的なもの?

「あ、そう。そうなんだ~」

という感想しか思い浮かばない(笑)。

どうしてかというと、実に単純明快でした。

ホラーであれミステリであれ、この作品のように凝った、フィクション性の強い設定の場合、ね。

その時代背景や、設定や、登場人物。

その地方に伝わる奇怪な、恐ろしい伝承の数々。

そういう、(現代のわたしたちから見れば)非現実的な状況にきちんと奥行きを持たせ、説得力のある描写をするには、とにかく「ページ数が要る」のです。

こんな逸話、あんな過去。

歴史の説明も、民俗学のウンチクも。

そういうエピソード&情報を積み重ね、膨らませて、濃厚な小説世界を編み上げていくのですね。

そうやってまずは世界観を読者に納得させてから、事件が起こる。

登場人物の言動も、世界観が出来ているからこそ、納得できる。

・・・あたりまえといえば、あたりまえですよね。

これが現代ものなら、楽なもんです(笑)。

現代日本の枠組とか、現代人の考え方とか、いちいち説明しなくてもいい。

そうじゃない場合、どうしても、紙面を割いて丁寧に説明するしかない。

だけど短編では、それって無理ですよね。

十分に言葉を尽くして、エピソードを重ねて説明する余裕なんか、ありはしない。

だから本作では、不完全燃焼・・・なのだと思います(笑)。

こういう人がいました。

こういう怖いことがありました。

・・・って説明を、ページ数の都合で必要最低限、なんとか置いておくだけ。

いきおい、説明部分が長くなります。

登場人物の描写は、どうしても少なめになります。

そして謎解きも、効率第一。

探偵役が滔々としゃべりまくるという、アレです。

本格ミステリの醍醐味、かつ弱点のひとつともいえる、「名探偵の独演会」状態。

長編ならば、この場面でカタルシス!で

「待ってました!」

だけど、短編の場合はこのシーンが全体の半分、三分の一を占めてたりね・・・(汗)。

濃厚な、あやしげな世界観を演出するには、どうしても無理があるんでしょうね。

※しつこいですが、面白くないわけじゃないのよ。

ただ最低限ベア・ボーンズ状態なので、深みも迷いも、ミスリードも遊びもない。

(短編の場合、伏線を上手に紛れ込ませる・・・ってのも難しいし。)

雰囲気が薄い。

ふわふわの毛を刈られてすっかり貧相になっちゃった羊みたい・・・というか。

わかります?

ミステリって、(読者を惑乱させる目的もあって)遊びの部分が必要なんだなあ、と。

今回この短編集を読んで、しみじみと思いました。

とはいえ、いいこともありました(笑)。

短編ゆえに見えてくる、ミステリのプロット。

普段はディテールにうまく隠されているものが、よく見える。

なるほど、こういうふうに構成するものなのか、と勉強になりました。

以上。


厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)
(2009/03/13)
三津田 信三

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首無の如き祟るもの (講談社文庫)首無の如き祟るもの (講談社文庫)
(2010/05/14)
三津田 信三

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山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)
(2011/05/13)
三津田 信三

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では、また。。。

EDIT  |  04:50  |  ふつうの小説(笑)  |  Top↑
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