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Wed 06/08/2014

占星術殺人事件 (島田荘司)

☆この記事は☆

自分用の読書メモ、はたまた備忘録として利用している、某書籍レビュー/シェアサイト(SNS的なもの)に書き込んだレビューを、時によって若干の加筆・修正を加えてここに転載しています。

読了は2014年1月。







占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)
(2013/08/09)
島田 荘司

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島田荘司の「衝撃のデビュー作」にして代表作、日本の(新)本格ミステリの金字塔、最高傑作のひとつ。

・・・と言われています。

ミステリ好きでこれ読んでなかったらモグリ、的な位置づけ。

たしかにプロットはよく考えられているし、トリックの妙には感心した。

退廃的というか倒錯したエロティシズム(に見えるだけですが)と残虐性を漂わせ、懐古趣味、横溝正史的なホラー幻想、耽美的な味つけも面白い。

伏線、というかミスリードの多彩さも楽しい。

・・・が、そうなんですが。

個人的には最後まで、冷めた感覚が抜けませんでした。

超絶トリックに大興奮!・・・するどころか、細部の詰めの甘さやアリバイの緩さが気になってしまう。

「本当にこんなに都合よく何もかもうまく行くかねえ?」

「ずいぶん運のいい犯人なのね」

という皮肉めいたツッコミが次々と浮かんで来る(笑)。

要するに、説得力に欠けるのです。

本格ミステリにどこまでの現実的、社会的リアリティを求めるのか、それはそれで議論もあろうと思うけど、本作品には残念ながら、良いミステリがconvincingであるために必要な程度のリアリティを感じなかった。

その要因の最たるものが、御手洗潔という(これも有名な)探偵役。

ファンの方には申し訳ないけど、丸っきり好感の持てない、説得力のカケラもない人物造形に苦笑するしかなかった。

変わり者である、という設定(言い訳)で納得できるならいいけど、問題は彼に「昭和の最晩年に20代の若者である」人間としてのリアリティが欠如していること。

どう説明したらいいのか・・・?

たとえば金田一耕助や刀城言耶が奇矯な人間として描かれていても、それはそれで彼らの棲息する「小説的リアリティ」をぶち壊すものではない。

だけど御手洗(と友人の石岡)には、強烈なウソ臭さ(ありえなさ)を感じてしまう。

二人の会話の空々しさ、つくりものっぽさ。

思考回路の(作者の)ご都合主義。

島田荘司の他の作品には、十分にリアリティのある人物も多々登場するので、決して作者の力不足ではないと思う。

ということは、これはわざと、御手洗と石岡にホームズとワトスンの古い翻訳ミステリみたいな語調で話をさせている、ということになる。

よね?

・・・それが作者の意図なら、私には合いません、としか言えない。

肝心の探偵役をこれっぽちも好きになれない、どころかバカバカしさを感じてしまう。

本格ミステリを読むにあたって、これほどツライことはないと今回、痛感しました。


なお>>

これはあくまで、この作品における御手洗(と石岡)の話。

後に別作品のレビューも書く予定ですが、そちらでは若干まともです(笑)。

少なくとも、ここまでの拒否反応は出ませんでした。

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