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Sun 02/11/2014

斜め屋敷の犯罪 (島田荘司)

☆この記事は☆

自分用の読書メモ、はたまた備忘録として利用している、某書籍レビュー/シェアサイト(SNS的なもの)に書き込んだレビューを、時によって若干の加筆・修正を加えてここに転載しています。

ちなみに読了は2014年1月。






斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)
(1992/07/03)
島田 荘司

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島田荘司の産んだ名探偵・御手洗潔シリーズ、「占星術殺人事件」に次ぐ第二弾。

・・・のはず。

「占星術・・・」のレビューの中で、御手洗&石岡コンビに覚えた違和感についてさんざん書いたので、ここではそれは省略します。

今回は二人の出番が後半に限られていたことと、地の文が非常に落ち着いて読みやすかったこともあって、前回ほどの不愉快さはなくさらさらと読めました。

舞台は、北海道最果ての地にぽつんと建つ「流氷館」。

建物全体が斜めに傾いているという異様なデザインの屋敷で、クリスマスの夜から立て続けに起こる不可能趣味の密室犯罪。

動機も物理的チャンスもないように見える招待客たちと住人、使用人たち。

いったい誰が、なぜこのような殺人を犯すのか。

刑事たちが泊まり込む中で更に起こる事件に、誰もが恐怖におののくが・・・!?


典型的な「嵐の山荘」もの。

アクの強い登場人物といい、リアリティ無視の奇妙な建築物といい、超絶トリック(人によっては失笑モノかも)といい、いかにも本格らしい本格ミステリ。

なにしろ「読者への挑戦」まで(またしても)あるからね・・・(笑)。

ツッコミどころも多々あるし、非現実的としか思えない箇所もあるが、不思議なことに「占星術」ほどには気にならない。

それがさしてマイナスになっていない。

(20代前半の女性同士の会話とか、リアリティのカケラもなくて笑っちゃうんですけどね。でも、古典的な海外ミステリとか、海外ドラマならそういう口調もありなのかな、と許せるレベル。)

これは、「物語の設定がこうなんだから、そこに突っ込んでも意味がない=こういう世界観だと受け止めよう」と思える程度にはおもしろく、リーダビリティがあるからだと思う。

前述のとおり、落ち着いた語り口に安定感があるので、いざ御手洗がやかましく登場しても、そういう演出なのだと思えるからでしょう。

※わりと批判ばかり書いてますが、わたしは島田作品は好きなのです(笑)。ホント。

惜しむらくは、刑事たちの描写がお粗末なこと。

所詮は主役の引き立て役とはいえ、もうちょっと緻密なプロの仕事をしてほしかった。

(一般人が考え得る)可能性はすべてしらみつぶしに潰した、と言える状況を作り出してほしかった。

たとえば、凶器や遺留品の製造・販売ルートを探るとか。

部外者の出入りがあったかどうか、最寄りの集落や駅などで聞き込みをするとか。

(そういうまっとうな捜査もあったんだろうとは思うけど、作品中に描写がない。かろうじて凶器については、最後の最後に若干フォローがあるだけ。)

それがあってこそ、御手洗の非凡な推理のキレも引き立つというものでしょう。

警察が無能すぎてちょっと情けなかった。

大声でがなる「いかにもキャラ」がいてもいいけど、そればっかりじゃなあ。

(のちに「奇想、天を動かす」などにも登場する札幌署の牛越刑事も、ここでは単に、お間抜けな狂言回しでした。いい人なのに、残念。)

ちなみに、冒頭に登場する花壇の意匠。

見た途端にそれが何かわかってしまって、拍子抜け・・・もうちょっとひねるべきでは???

これが謎になることが謎だと思ってしまいました。


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